古来より、「地震、雷、火事、おやじ…」の順で恐れられてきた雷は、常に警戒すべき自然現象の一つですね。雷が落ちて火事が起きたり、家電製品が壊れてしまったりします。
この記事では、雷が最も落ちやすい場所と、落雷時に避難するための安全な避難場所に関して解説していきます。
雷が好む落下地点とその危険性
一般的に、雷は高い物体に落ちやすいとされています。
開けた場所で、自分が周囲よりも高い位置にいると、落雷のリスクが高まります。
特に、ゴルフコース、農地、河川の堤防、海辺、海上、船上、運動場、テニスコート、屋外プールなどは、雷が近づくと特に危険性が高まります。
雷鳴を聞いたら、速やかに安全な場所への避難が重要です。
避難場所が見当たらない場合は、足を閉じてしゃがみ、頭を両手で守りつつ、耳を親指で塞ぐことで、耳の損傷を防ぎつつ、雷の通過を待つのが良いでしょう。
また、二人が同じ身長で一方が傘を差している場合、傘を使用している人の方が落雷の可能性が高くなります。傘の素材はこの事実に影響しません。
落雷時の安全避難場所
落雷から身を守るには、金属や鉄筋コンクリートのような導体で囲まれた空間が最も安全とされます。
これには、鉄筋コンクリートの建物、自動車、列車、金属製の船舶などの内部が含まれます。
ただし、建物に落雷が直撃したり、近くに落ちた場合、雷の電流は電源線、電話線、アンテナケーブル、水道管などを通じて内部に侵入し、内部にいる人々に危険を及ぼす可能性があります。
そのため、建物内では電気機器や金属構造物から最低1メートル以上離れ、部屋の中央で雷鳴が止むのを待つのが望ましいです。
車や列車のような金属製の乗り物内は一般的に安全ですが、乗り物の金属部分に触れると、体を通じて電流が流れるリスクがあるため注意が必要です。
比較的安全な屋外避難場所
屋外で即座に安全な避難場所に移動できない場合や、強い雷雨に見舞われた際の一時的な避難先として、5メートル以上の建物や樹木が提供するいわゆる「保護範囲」が比較的安全とされています。
5メートルから30メートルの建物の保護範囲
安全な場所に直ちに避難できない時や、雷雨が激しい時の一時避難場所として、避雷針があるか、または高さ5メートルから30メートルの建物の最も高い部分を45度の角度で見上げることができる範囲内、かつ、その建物から4メートル以上離れた場所（コンクリート製の電柱の場合は2メートル以上）で低姿勢をとれば比較的安全と言えます。
ただし、絶対的な安全は保証されませんので、可能な限り速やかに車内や建物内への避難を心がけるべきです。
30メートル以上の建物の保護範囲
高さが30メートル以上の建物では、その根本から4メートル以上（送電鉄塔の場合は2メートル以上）離れていても、30メートル以内の範囲が比較的安全とされています。
ただし、5メートル未満の建物には保護範囲は存在しない点に注意が必要です。
木の下や建物の軒先で避難するリスク
かつては雷が近づくと高い木の下で避難することが推奨されていましたが、実はこれは大きな誤解です。
人間の体は木よりも電気をより良く導くため、木に雷が落ちた際には、そこから人へと雷が飛び移る「側撃雷」という現象が発生するリスクがあり、これは非常に危険です。
同様に、建物に雷が落ちた場合、雷の電流は屋根から壁を通って地面へと流れるため、建物の外壁や軒先にいると、雷の電流に巻き込まれる危険性があります。
金属製アクセサリーが雷へのリスクを高めるって本当？
身につけている金属製のアクセサリー、例えば指輪、ピアス、ネックレス、腕時計、メガネなどが雷を引き寄せるという話がありますが、これは一般的な誤解です。
金属製品を身につけているか否かは、雷が落ちる確率に影響を与えません。
実際には、金属製のアクセサリーを身につけていることが原因で雷の電気が体の外を流れ、内部への流入を避けることができ、結果として命を救った事例も報告されています。
また、ゴム製の長靴やレインコートが雷から保護するという認識もありますが、これも誤解です。雷のエネルギーは非常に強力であり、これらの絶縁材料を容易に貫通します。
まとめ：雷に関する知識と安全対策
雷は一般的に高い場所に落ちやすい性質があります。そのため、開けた場所で自分が周囲よりも突出している場合、落雷のリスクは顕著に高まります。
落雷から身を守るための安全な避難場所は、金属や鉄筋コンクリートのような導体で囲まれた空間の内部に限ります。これには鉄筋コンクリート製の建物や、車内などが含まれます。
また、5メートル以上の高さを持つ建物や構造物の周辺は、比較的安全な避難場所とされています。
本記事では、雷がどのような場所に落ちやすいのか、そして落雷から安全に避難する方法について解説しました。
