自然災害に対する備えは万全ですか？地震、台風、洪水など、予期せぬ事態に備えるために、防災用品の準備は不可欠です。
過去には必需品と考えられていたものも、実際に災害に遭遇した人々の経験に基づき、今では不必要なものとされることも少なくありません。
持っている防災情報が最新のものか、再確認してみてはいかがでしょうか？
この記事では、不要とされる防災用品をランキング形式でお伝えするとともに、絶対に必要な防災グッズを紹介します。
ただし、ランキングに挙がっているものでも、それがあなたにとって本当に不要かどうかは、個々の状況や時期、家族の人数や構成などによって変わります。ランキングを参考にする際には、自分の具体的なニーズを考慮して、必要なものを選択してください。
不要とされた防災グッズのランキングを公開！
多くの人が防災時に役立つと思い込んでいたアイテムを選んで、それらの実際の有用性をランキング形式で評価しました。
アウトドア製品が災害時の救世主になると思っていませんか？この発想には慎重さが求められます！
驚くことに、ランキングに上がった防災用品の多くはアウトドア用途でよく使用されるものばかりです。
1位 手回しラジオ
緊急時の情報収集にはラジオが不可欠ですが、スマートフォンのバッテリーが尽きたときに頼りになるのが手回しラジオかもしれません。電池不要で動作するため、一見すると理想的な防災グッズに思えます。現代の手回しラジオはラジオ機能のみならず、LEDライト、携帯充電機能、サイレンなどを備えているものが多くあります。また、手回し充電の他にもソーラー充電やUSB充電、さらには乾電池での使用が可能な製品もあります。
しかしながら、実際に使用した人々からは、ハンドルを回す際の疲労や、回す音が大きくラジオ放送が聞き取りにくいといった声が上がっています。また、一生懸命に回しても生成される電力は限られており、実際には大きな効果を期待できないことが明らかになっています。
以下の表は、1分間ハンドルを回した場合のラジオの使用可能時間や、LEDライトやスマートフォン通話の使用可能時間を示しています。
| 手回しラジオ | ラジオ | LEDライト | スマホ通話 |
| A社 | 5～8分 | 10～15分 | 1分10秒 |
| B社 | 20～30分 | 10～15分 | 30秒 |
| C社 | 5～7分 | 10分 | 1分 |
このデータからもわかるように、一時的な解決策としては機能するかもしれませんが、長期的な使用には適していないことが伺えます。特にスマートフォンの充電に関しては、使用時間が非常に短く、状況によってはほとんど役に立たない可能性があります。
手回し発電は緊急時の最後の手段として考え、定期的な動作点検や、発電に最適なハンドルの回転速度の把握、さらにはスマートフォン充電の可否など、使用前に確認しておくべき事項が多数あります。
最終的には、乾電池を使用できる多機能ラジオが推奨されます。ソーラー充電やUSB充電にはそれぞれ天候依存や電源アクセスの問題がありますが、乾電池ならばそのような心配は不要です。
機種によって乾電池の使用本数や連続使用時間が異なりますが、乾電池を使用した場合の連続使用可能時間は以下の通りです。
| 乾電池 | ラジオ | LEDライト | スマホ通話 |
| A社 | 120～160時間 | 65時間 | 50分 |
| B社 | 40時間 | 19時間 | 20分 |
| C社 | 15～18時間 | 10～12時間 | ― |
この情報から、手回しラジオが提供する短期間の利便性と、乾電池を使用した長期的な安定性の間で、どちらを選択するかを考慮することが重要です。防災グッズとして乾電池も忘れずに備えておきましょう。
２位 テッシュペーパー
ティッシュペーパーは一見すると非常に便利な防災アイテムに見えますが、今回のランキングで2位に選ばれた理由があります。実は、より多目的に使えるトイレットペーパーを備えておくべきだという意見が多く挙がっています。
トイレットペーパーの方が使い勝手が良く、必要な長さに切り取れるため、無駄な使用を防げるという点が大きな利点です。確かに、トイレットペーパーはかさばる可能性がありますが、中心の芯を取り除いて押し潰せば、携帯性も向上します。
さらに、防水加工された袋（例えばジップロックなど）に入れておけば、湿気や水濡れから守ることができます。
特に、関東から中部地方が震源地となる地震が発生した場合、トイレットペーパーの全国的な不足が予想されます。これは、静岡県がトイレットペーパーの生産の約40%を占めており、この地域が被災すると生産が滞るためです。
そのため、被災しなかった地域でもトイレットペーパーが手に入らなくなる可能性があるのです。
また、ティッシュペーパーはトイレットペーパーの代わりにはなり得ますが、その逆は困難です。ティッシュをトイレに流すと、その繊維構造が原因で水に溶けにくく、トイレを詰まらせるリスクがあります。
これらの理由から、ティッシュよりもトイレットペーパーを備えることが強く推奨されます。
３位 テント
避難生活を想定すると、テントがあればプライバシー確保の手段として魅力的に感じるかもしれません。しかし、実際には避難所でテントを使用する機会はほとんどなく、多くの人が車中泊を選択するため、テントはあまり必要ないアイテムとしてランキングの上位に挙げられました。
避難所でテントを使わない理由は主に以下の2点です。
安全性の問題
避難所では、盗難や性犯罪などを防ぐために、避難者同士で夜間の見回りを行うことがあります。これは、多くの人が一箇所に集まる状況での警備の必要性を示しています。テントを使用することのリスクは、このような状況を考えるだけで理解できます。また、災害後のがれきがある不安定な地面にテントを設置するのは現実的ではありません。
支援活動への影響
避難所が設けられる学校の運動場などの広場にテントを設置すると、一見すると安全で安心できるように思えます。しかし、避難所には生活必需品を運ぶトラックのための駐車スペースが必要です。テントが多く設置されると、このような支援活動に必要なスペースを奪ってしまうことになります。また、炊き出しや自衛隊が提供するお風呂や洗濯設備などの設置スペースも、同様に必要とされるため、テントがそれらの活動を妨げる原因になり得ます。
４位 携帯型浄水器
無人島でのサバイバルや自然の中での水確保は、しばしばテレビで取り上げられる興味深いテーマです。川の水を直接飲用可能にする携帯型浄水器があれば、大量の水を備蓄する必要性が軽減され、水に関する悩みが大きく減少すると思われがちです。
「自衛隊でも使用されている」というような宣伝文句により、携帯型浄水器への期待は一層高まります。確かに、多くの浄水器はフィルターを通じてウィルスを99％除去する能力を持っています。しかし、重要なのは製品ラベルに小さく記された注意事項です。
この注意書きによると、塩分や化学物質、放射性物質など、水に溶解している物質は浄水器でろ過できないとされています。これは、例えば海水を直接飲用水に変えることができないことを意味しています。また、葉から滲み出した色素が含まれた川の水も、この浄水器を使って透明な水に変えることはできません。
そのため、携帯型浄水器は万能の解決策ではなく、使用する水源に関する十分な知識が必要となります。飲用に適さない水は、洗濯などの生活用水として活用することが推奨されます。
５位 大量の水
防災における水の重要性は高く、様々な方法での水確保に対する試みが盛んです。このため、いらなかったものランキングにおいても、水関連のアイテムが2つランクインしました。特に、大容量の水容器に関しては、その非実用性から多くの声が挙がっています。
避難の際に大量の水を持ち出すことは、実際にはかなり困難です。ウォーターサーバーのボトルなど、普段から大容量で水を準備している家庭もあるかもしれませんが、災害時にこれらを持ち運ぶのは現実的ではありません。12リットルの水ボトルは約12キロにもなり、避難時にこれを携帯するのはほぼ不可能です。
さらに、2リットルのペットボトルでさえ、その重さと扱いにくさから、水の使用を適切に管理するのが難しくなります。特に、力のない女性や子供、高齢者にとっては、2リットルペットボトルから水を適量だけ注ぐことすら一苦労です。
このため、500ミリリットルのペットボトルのように扱いやすく、必要な量だけを簡単に取り出せるサイズの容器への移し替えが推奨されます。これにより、災害時でも水の使用をより効率的かつ安全に管理することが可能になります。
番外順位：ナイフとロープ
防災用品を考える際、サバイバル技術の一環としてナイフやロープを連想する方は少なくありません。これらのアイテムは、熟練者にとっては非常に役立つ道具ですが、普段使い慣れていない人が使用すると、その効果を発揮しづらいというのが実情です。
特にナイフに関しては、不適切な持ち運びが銃刀法違反に抵触する恐れがあり、法的な問題に巻き込まれる可能性があります。また、ロープを使用しての避難想定など、特定のスキルが必要とされる場面での使用は、実際には素人には困難であり、不正確な結び方では安全性に欠け、事故に繋がる危険性があります。
これらの理由から、ナイフよりも日常的に使い慣れているカッターや、ロープの代わりとしてより扱いやすいガムテープを推奨する声が多いです。これらの代替品は、一般的な使用でもその機能を発揮しやすく、特に緊急時において直感的かつ安全に使用することが可能です。
防災用ヘルメット：必要性の再評価
かつては防災キットの定番アイテムとして、ヘルメットがリストアップされていましたが、近年その必要性について再考されるようになりました。防災用ヘルメットの持つ価値と、それを準備する上での考慮点について見てみましょう。
ヘルメットの必要性に関する考察
ヘルメットを防災グッズとして準備する必要性は、一概には低いとされています。これは、ヘルメットが持ち運びに不便で、特に家庭において複数のメンバーがいる場合、その保管場所を確保するのが難しいためです。しかしながら、この見解はヘルメットが一切不要という意味ではありません。
自転車用ヘルメットのような代用品もありますが、正式な防災用ヘルメットは国家検定に合格した「保護帽」としての基準を満たしている必要があります。防災ヘルメットの主な役割は以下の通りです：
- 落下物や飛来物から頭部を保護
- 転倒時のがれきから頭部を保護
- 手を使わずに頭部を守ることが可能
しかし、実際には、災害後の清掃作業などでヘルメットを着用している人は少ないとの報告があります。
ヘルメットの代替案
最適なヘルメットがあれば頭部保護に役立ちますが、緊急時には身近な物品で代用することも一つの方法です。
- 毛布やクッション：自宅での地震発生時に頭部を守るためには、毛布やクッションが役立ちます。また、避難所での睡眠環境を整える際にも使用できますが、避難中に持ち運ぶと手がふさがり危険です。
- カバン：外出中に地震が発生した場合、手にしているカバンで頭部を保護することが推奨されます。特にビル街では、ガラスなどの危険物が落下する可能性があるため、頭部を守ることが重要です。
防災グッズを選ぶ際には、「絶対に必要」というよりも「あったら便利」なものを基準に選択することが大切です。そして、実際に必要となるアイテムを見極め、個々のニーズに合った防災セットを準備することが重要です。
地震発生前に防災用品を見直すポイント
「あったら便利」と感じるアイテムを見極め、本当に必要な防災グッズのみを備えることが、無用なものを避ける上での鍵となります。災害時におけるライフラインの復旧見込みと、実際に必要となる防災用品について検討してみましょう。
ライフラインの復旧見込み
東日本大震災や阪神淡路大震災など、過去の大規模な地震災害を例に取ると、ライフラインの約9割が以下の期間で復旧しました。
| 電気・水道・ガスが９割程度復旧するまでの日数 （日本気象協会より引用） | ||
| 東日本大震災 | 阪神淡路大震災 | |
| 電気 | ６日 | ２日 |
| ガス | 24日 | 37日 |
| 水道 | 34日 | 61日 |
これらの情報を踏まえると、電気が比較的早期に復旧する可能性が高いことを考慮に入れ、IHクッキングヒーターや電気ポットといった電気を利用する防災グッズを準備することが有効です。
また防災グッズを選ぶ際は、「絶対に必要」と思われるものだけでなく、「復旧までの間、どのように生活を支えるか」という視点で考えることが大切です。ライフラインの復旧予測を基に、実際に生活に必須なアイテムを選定し、自分や家族の安全を確保しましょう。
生存の鍵を握る！不可欠な防災グッズリスト
地震直後の72時間は、生存確率にとって非常に重要な期間です。この間に自衛隊などの救助隊が人命救助を最優先に行うため、食料や支援物資の供給はそれが終わってからとなります。そのため、地震発生から最初の3日間は自分自身で生き抜く準備が必要です。
この期間を乗り切るために、被災者にとって絶対に必要とされる防災グッズを見ていきましょう。重要なのは、以前に「いらなかった」とされたアイテムに頼るのではなく、実際に生存に直結する必需品を備えることです。
水
水は人間の生命維持に不可欠な要素であり、体の約60%を占めています。水分が不足すると、わずか72時間で生命を脅かす状況に至る可能性があるため、災害時には水の確保が最優先事項となります。
「いらないものランキング」に挙げられた大容量の水容器でも、飲料水の備蓄は絶対に必要です。避難所での生活が始まれば、共同で水源を探し、安定した水の供給を確保するために協力し合うことが大切です。
多くの場合、自宅避難が選ばれることが多いですが、その際に最も困難となるのが情報の不足です。どこで安全な飲み水を得られるのか、情報がなければその場所を知ることができません。湧き水を含む安全な水源が近くにあっても、その情報がなければ利用することはできません。
そのため、1人あたり1日に必要な水の量を基準に、最低でも3日分、つまり1人当たり9リットルの水を備蓄しておくことが推奨されます。家族全員分の水を確保することで、災害直後の最も危険な期間を乗り越える準備ができます。
水の備蓄は防災準備の中でも基本中の基本であり、万が一に備えて家庭に必要な水の量を事前に準備しておくことが、安全への第一歩となります。
食糧
災害時には、調理や冷蔵のできない状況を想定し、保存がきくかつ開封後すぐに食べられる食糧の備蓄が必要になります。即席で食べられるアルファ米や、加熱せずとも美味しく食べられる缶詰は、そうした状況に適した食品の例です。
食糧を備蓄する際は、ただ満腹になるだけでなく、栄養面も考慮することが大切です。炭水化物を主体とした食品は比較的容易に確保できますが、タンパク質やビタミン、食物繊維を含む食品は、特に注意を払う必要があります。
缶詰を活用しよう
缶詰はその多様性から、バランスの取れた食事を提供することができます。たとえば、海鮮缶詰にはツナやサバがあり、タンパク質の良い供給源になります。お肉類では、スパムや缶詰焼き鳥があり、野菜類ではコーンやアスパラガスが一般的です。また、フルーツ缶詰は、ビタミンの供給源として役立ちます。パイナップルや黄桃などがあります。
変わり種缶詰も検討を
興味深いことに、たこ焼きやおでんのような変わり種缶詰も市場には存在し、これらは災害時の心の慰めにもなるでしょう。好みのお菓子を少し加えることで、厳しい状況の中でも少しの楽しみや慰めを見出すことができます。
総合的な栄養バランスを
災害時の食糧備蓄では、単に腹を満たすだけでなく、身体が必要とする総合的な栄養を考慮に入れることが重要です。缶詰を中心に、タンパク質、ビタミン、炭水化物、そして食物繊維をバランス良く含む食品を選ぶことで、体力と健康を維持し、災害を乗り越える力をつけましょう。
簡易トイレ
災害発生時、食糧や水の確保と並行して、トイレの利用に関する問題も深刻な懸念事項となります。特に地震の影響で水道設備が損傷した場合、通常のトイレが使用不能になることがあります。このとき、簡易トイレの準備がいかに重要かが浮き彫りになります。
簡易トイレの必要性
- 排水管の損傷による逆流の危険性：地震によってトイレの排水管が破損し、排泄物が逆流するリスクがあります。これは特にマンションなどの集合住宅で問題となり得ます。
- 健康への影響：トイレの使用を我慢することは、エコノミー症候群など健康上のリスクを高めます。また、衛生状態の悪化は災害関連死の原因ともなり得ます。
簡易トイレの選び方
簡易トイレを選ぶ際には、以下の点に注意してください。
- 座れるタイプ：使用時の快適さを考慮し、座れるタイプのものを選ぶと良いでしょう。
- 袋の素材：袋が破れにくく、中身が見えない素材であることが望ましいです。
- 凝固剤の機能：凝固剤は、防菌・防臭効果があるものを選ぶことで、衛生的な問題を最小限に抑えることができます。
準備の重要性
災害時には、水や食糧と同様に、簡易トイレも生存に直結する必需品の一つです。購入時のコストを考慮することも重要ですが、長期間の使用に耐える品質のものを選ぶことが、より重要と言えるでしょう。
トイレ対策は思った以上にデリケートな問題であり、災害発生前に十分な準備と計画が必要です。適切な簡易トイレを備えることで、災害時の不安を少しでも軽減し、衛生的な生活環境を維持することが可能になります。
モバイルバッテリー
災害発生時、親族や友人からの安否確認や、被害状況の情報収集は重要な課題となります。このような状況下で、モバイルバッテリーはスマートフォンなどの通信機器を稼働させ続けるために不可欠なアイテムです。大容量のモバイルバッテリーを準備しておけば、電源が復旧しない場合でも1週間程度はデバイスを使用し続けることが可能になります。スマートフォンの低電力モードを活用することで、さらにバッテリーの持続時間を延ばすことができます。
無料Wi-Fiサービス「00000JAPAN」
災害発生時には、総務省が提供する無料の無線LANサービス「00000JAPAN（ゼロファイブジャパン）」が解放されます。これは、災害時における情報の伝達や安否確認を容易にするための措置であり、Wi-Fi設定画面から接続先「00000JAPAN」を選択するだけで利用開始できます。パスワードは不要で、誰でも簡単にアクセスできる点が大きなメリットです。
注意点
「00000JAPAN」の利用時には、セキュリティ面での注意が必要です。公共のWi-Fiネットワークはセキュリティが万全ではないため、オンラインショッピングや個人情報を含む重要なデータの送信は避けるべきです。また、このサービスは本当に困っている人のために設けられているため、利用は節度を持って行うことが求められます。
災害時の情報通信手段として、モバイルバッテリーの準備と「00000JAPAN」のような無料Wi-Fiサービスの存在を知っておくことは、安全確保と情報収集の上で極めて重要です。これらのツールを適切に活用することで、災害時におけるコミュニケーションの確保と情報の伝達がスムーズに行われるでしょう。
懐中電灯
災害発生時、特に冬季は日没が早く、長時間の暗闇での生活を余儀なくされることがあります。このような状況では、懐中電灯が非常に重要な役割を果たします。家庭内での使用はもちろんのこと、夜間に余震が発生し緊急避難が必要になった場合にも、懐中電灯は必需品です。
家族構成に応じて、各人が使用できる数の懐中電灯を準備しておくことが重要です。一人一台の原則で、全員が自分の懐中電灯を持つことで、万が一の際にも迅速かつ安全に行動することが可能になります。
ローソクの使用について
災害時にローソクを使用するのは避けるべきです。ローソクは固定されていない限り、余震で簡単に倒れる可能性があります。これが原因で火事が発生すれば、水が利用できない状況下では、消火活動が困難となり、取り返しのつかない事態に陥る恐れがあります。
懐中電灯の選び方
- 光源の強さ：十分な明るさを確保できるモデルを選びましょう。
- 持続時間：長時間使用できるバッテリー寿命を持つ懐中電灯が望ましいです。
- 防水機能：災害時には水に濡れる可能性も考慮して、防水性能のある懐中電灯を選択することが重要です。
- 耐久性：落下などの衝撃にも耐えられる堅牢な構造の懐中電灯を選ぶと安心です。
災害時における懐中電灯の準備は、夜間の安全確保という観点から見ても非常に重要です。適切な懐中電灯を準備することで、家族全員の安全を守り、災害発生時の不安を軽減できます。
下着と生理用品
災害時の防災グッズとして、水や食糧の準備が最優先されがちですが、衛生用品の備蓄も非常に重要です。特に、長期間同じ下着を着用し続けることは、衛生面で好ましくありません。実際に、災害後に新しい下着がなくてお風呂に入る気になれなかったという体験談もあります。
下着の備蓄
清潔な下着を用意しておくことは、衛生状態を保ち、気持ちを新たにする上で非常に重要です。災害用キットには、最低でも3日分の替えの下着を準備しておくことをお勧めします。また、おりものシートを利用することで、下着を清潔に保つ期間を延ばすことができます。
生理用品の備蓄
女性にとって、生理用ナプキンは災害時にも必要不可欠なアイテムです。予期せぬタイミングで生理が始まる可能性も考慮し、生理用ナプキンも防災グッズに含めるべきです。生理用ナプキンは、衛生面だけでなく、心理的な安心感をもたらす重要な役割を担います。
備蓄のポイント
- 個別包装されたものを選ぶ：衛生用品は個別包装されたものを選ぶことで、保管時の衛生状態を保つことができます。
- 定期的なチェックと交換：準備した衛生用品は定期的にチェックし、賞味期限や使用期限が近づいていないか確認しましょう。必要に応じて交換してください。
災害時の生活では、水や食糧と同じくらい衛生用品の備蓄が重要です。清潔な下着と生理用品の準備は、衛生的な生活を送るための基本であり、災害時のストレスを軽減する上でも役立ちます。事前の準備により、災害発生時における不安やストレスを少しでも軽減しましょう。
歯ブラシとマウスウォッシュ
災害発生時、水の不足は飲料水の確保だけでなく、日常の衛生習慣にも影響を及ぼします。特に、歯磨きは清潔な水が必要なため、水を節約したいという理由で躊躇されがちです。このような状況下での口腔衛生を維持するため、歯ブラシとマウスウォッシュの準備が推奨されます。
マウスウォッシュの利点
マウスウォッシュは、水を節約しつつ口腔内を清潔に保つための有効な手段です。マウスウォッシュを口に含んで歯ブラシを使用することで、歯磨き粉と水を使う通常の方法と同様に、歯と歯茎を清潔にすることができます。この方法ならば、使用後にマウスウォッシュを吐き出すだけで済むため、限られた水資源の節約にもなります。
歯ブラシの備蓄
- 個包装の歯ブラシ：衛生的に保管できる個包装の歯ブラシを準備しておくと便利です。災害用キットに数本備えておくことで、災害時でも口腔衛生を維持できます。
- マウスウォッシュ：アルコール含有量の少ないものや、子供も使用できるタイプのマウスウォッシュを選ぶと良いでしょう。使用量にも注意し、節約しながら効果的に口腔内を清潔に保てる量を把握しておきましょう。
カセットコンロ
災害が発生し、電気やガスの供給が停止した場合、復旧までの間に家族分の食事を準備することは大きな課題となります。特に、1週間の間に21回の食事を準備しなければならないと考えると、その重要性は一層明確になります。このような状況下で、カセットコンロは災害時の食事準備において重要な役割を果たします。
カセットコンロのメリット
- 即時使用可能：カセットガスを使用するカセットコンロは、電気やガスの供給がなくてもすぐに使用することができます。
- 温かい食事の提供：冬季など寒い時期には、温かい食事が体を温め、心の慰めにもなります。カセットコンロを使用すれば、簡単な温かい料理を提供することが可能です。
- ストレス軽減：災害時は不安やストレスが増大します。普段と同じような温かい食事を提供することで、家族の心理的負担を軽減できます。
カセットコンロの準備
カセットコンロを備える際には、以下の点に注意しましょう。
- 安全な使用場所を確保：換気が十分に行える場所でカセットコンロを使用することが重要です。屋内で使用する際は、十分な換気に注意してください。
- カセットガスの備蓄：カセットコンロの使用回数に応じて、必要なカセットガスの本数を備蓄しておくことが重要です。
- 調理器具の準備：カセットコンロに適した調理器具も一緒に準備しておくと便利です。
現金
災害が発生した際、電子決済システムが停止することがあり、その結果、クレジットカードや電子マネーが使用不可となる場合があります。このような状況下では、生活必需品の購入や緊急時のニーズに応えるためには、現金が不可欠です。
現金備蓄の必要性
自動販売機からの飲料水購入や、避難所近くの商店での食料品購入など、災害発生直後に必要となる様々な支出に対応するため、現金の準備は極めて重要です。特に、電力供給が途絶えた場合、ATMが機能しなくなるため、事前に現金を準備しておくことが推奨されます。
現金備蓄のポイント
- 適切な金額：個人や家族の状況に応じて、数日分から数週間分の生活費相当の現金を準備しておくことが望ましいです。具体的な金額については、日常の支出を参考にしつつ、緊急時の必要性を考慮して決定します。
- 安全な保管：現金は盗難や紛失のリスクがあるため、防災グッズの中でも安全に保管できる場所に準備することが重要です。防水機能のある袋に入れるなどして、水濡れからも保護しましょう。
- 小銭の準備：自動販売機の利用など、小額の支払いが必要となる場合もあるため、小銭も一定量含めることが望ましいです。
まとめ
本記事を通じて、災害がいつ起こるか分からない状況に対し、適切な防災グッズの準備の重要性を再認識していただければ幸いです。個々の生活環境やニーズに合わせて、必要な防災グッズを選定し、万全の備えをしておくことが、災害発生時の安全確保と生活の維持に繋がります。災害に備えることは、自分自身や家族の安全を守る最初のステップです。
