春が訪れると、スタッドレスタイヤの交換時期も間近になりますね。
使用後のタイヤの保管方法には、多くのドライバーが悩んでいます。タイヤの寿命は保管方法に大きく影響されるため、細心の注意が必要です。
この記事では、スタッドレスタイヤの保管時に避けるべき一般的な間違いについてご紹介します。
冬用スタッドレスタイヤから夏タイヤへの交換は、多くのドライバーにとって重要な時期です。適切な保管方法を実施することで、タイヤの劣化を防ぎ、その寿命を延ばすことができます。
スタッドレスタイヤの間違った保管方法とその対策
スタッドレスタイヤを外した後の保管方法について、多くの方が心配しています。適切な場所で保管されない場合、タイヤの寿命が大幅に縮まる可能性があります。
保管前の清掃
冬季に使用したスタッドレスタイヤは、融雪剤の塩分が付着していることがあります。そのため、保管前には水でタイヤを丁寧に洗い、清潔に保つことが大切です。洗剤の使用は避け、必要があれば中性シャンプーを部分的に使用し、洗浄後はしっかり乾燥させてください。
また、スタットレスタイヤは構造上、ブロックと呼ばれるものがあり、そのブロックの間に溝が多くあります。その溝の中に小石などが挟まっていないか確認し、保管前には取り除きましょう。そうすることによってタイヤのブロックの変形が防げます。

スタットレスたいやの「ブロック」って何?
スタットレスタイヤの「ブロック」とは
タイヤのトレッド(接地面)部分に設けられた多数の小さな断面を指します。これらのブロックは、冬の雪道や氷上でのトラクション(グリップ力)を向上させるために設計されています。
ブロックは、タイヤの表面に刻まれた溝によって区切られており、それぞれのブロックが独立して動くことで、不安定な路面での接地面積を最大化し、滑りにくくします。さらに、スタッドレスタイヤのブロックにはしばしば多くの細かいサイプ(細かいスリット)が切られていて、これが雪や氷の上でのマイクロエッジ効果を高め、更なるグリップ力を提供します。
このように、ブロックの設計はスタッドレスタイヤが冬の厳しい条件下で安全に機能するための重要な役割を担っています。

そのブロックに小石とか挟まったままにしておくと、ブロックの役割りが十分果たせなくなってしまうんだね。保管の時も来シーズの為にきれいに取り除いておこう!
保管場所の選定
タイヤの保管場所選びには、直射日光を避けることが肝心です。紫外線はゴムの劣化を早めるため、屋内や日陰がある場所、または屋根のあるスペースで保管するのが最適です。タイヤワックスの使用は推奨されていないので、使用を控えましょう。
保管方法
ホイール付きのタイヤの保管
ホイールが付いているタイヤは横にして積み重ねることができます。この方法で保管する際には、タイヤの空気圧を少し下げることで、ゴムにかかる負担を減らし、変形やひび割れの防止につながります。
タイヤ単体の保管
タイヤ単体の場合は、縦に立てて保管すると良いでしょう。これにより負荷が分散され、タイヤの形状が保たれます。保管する際は、ダンボールや毛布を敷くことで、床との間に色移りや汚れがつくのを防ぐことができます。
追加の保管ポイント
雨水や湿気を避ける
スチールラジアルタイヤの場合、内部に水が侵入すると錆びる原因となります。保管場所は乾燥した場所を選びましょう。
油や高熱から保護する
ゴムは油を吸収しやすく、高温環境下では劣化が進みます。油や熱源の近くでの保管は避けてください。
電気火花を避ける
モーターやバッテリーからのオゾン発生は、ゴムを傷める一因となります。これらの機器から離れた場所で保管することが望ましいです。
清掃は適度に
タイヤの過剰な清掃はゴムを傷め、オゾンクラックの原因となるため、適度に行うことが重要です。

始めて聞いたけど、オゾンクラックって何?
オゾンクラックとは?
ゴム製品における一種の劣化現象です。オゾンによる攻撃によってゴムがひび割れる現象を指し、特にゴムが伸びている状態で発生しやすいです。これは、オゾンがゴムの分子構造を攻撃して、分子の連結が切れてしまうことにより生じます。
オゾンクラックは、タイヤやホース、シールなどのゴム製品に見られる劣化で、ひび割れが表面に網目状に広がるのが特徴です。この劣化が進行すると、ゴム製品の性能低下や、最悪の場合は製品の破損につながるため、予防措置が重要となります。予防策としては、ゴム製品をオゾンの発生源から遠ざける、UVカットやオゾン防護用のコーティングを施すなどがあります。
タイヤの寿命は使用状況や保管状況によって大きく異なります。これらのポイントを参考に、タイヤを大切に扱い、次のシーズンも安全に使用できるようにしましょう。
スタッドレスタイヤの保管場所に困ったら
自宅でのタイヤ保管にスペースがない、または持ち運びの体力的な負担が大きいと感じる場合、タイヤ保管サービスの利用を考えてみると良いでしょう。タイヤ専門店のみならず、カーアクセサリーショップやガソリンスタンドでもこのようなサービスが提供されていることがあります。
購入した店舗で保管サービスの詳細を尋ねるのが最も手っ取り早い方法です。そうすることで、タイヤを安全かつ便利に保管する最適な解決策を見つけることができます。
まとめ: スタッドレスタイヤの管理と保管
スタッドレスタイヤは、冬の厳しい道路条件下での安全運転を支える重要なアイテムです。適切な保管方法を実践することで、タイヤの性能を維持し、長持ちさせることが可能です。保管する際には、以下の点に注意しましょう:
- 清掃と乾燥: 使用後のタイヤは、塩分や汚れをしっかりと洗い流し、完全に乾燥させることが劣化を防ぐ鍵です。また、溝に挟まった小石などを取り除くことでブロックの変形を防ぐことができます。
- 保管場所: タイヤは直射日光や高湿度、高温から遠ざけ、通風良好な暗所で保管するのが理想的です。タイヤカバーを使用してさらに保護することも効果的です。
- 保管方法: ホイール付きのタイヤは横に積み重ね、単体のタイヤは縦に立てて保管することで、形状の変形を防ぎます。
- 専門の保管サービス: 自宅での保管が難しい場合は、タイヤ専門店やカーショップで提供される保管サービスを利用するのも一つの選択肢です。
タイヤの寿命を延ばし、次の冬も安全に運転するために、これらのポイントを実践し、タイヤを適切に管理しましょう。
