人前で話しているときに、やたらと「あの〜」「え〜っと」といった言葉を挟む人がいます。
本人は無意識なのかもしれませんが、聞いている側は、その回数が気になってしまうことも。
「…いま、何回言った?」なんて、つい数えてしまったり。
そしてふと考えると、自分も同じような話し方をしているのかもしれない…。
今回は、そんな“無意識の口ぐせ”の原因と、少しずつ整えるためのコツについて考えてみます。
つい出てしまう「あの〜」「え〜っと」が気になるとき
「あの〜」「え〜っと」「その…」
これらは俗に「フィラー(つなぎ言葉)」と呼ばれ、言葉と言葉の間をつなぐ“間”として無意識に使われます。
一度気になり出すと、相手がそれを言うたびに注意が向いてしまい、
肝心の内容が頭に入らなくなる…なんてこともありますよね。
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内容はしっかりしているのに、説得力が弱く感じる
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自信がないように見えてしまう
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話が回りくどく聞こえる
こういった印象を与えてしまうのは、もったいないことです。
本人は無意識?それでも聞き手は気づいている
「あの〜」を使っている本人は、たいていその自覚がありません。
それは“つなぎ言葉”が反射的に出てしまう言葉だからです。
逆に、聞いている側にはしっかり届いています。
特に面接やプレゼンのような場面では、「口ぐせが多い=準備不足」と判断されることも。
自分が気づいていない“クセ”が、相手には強く映っている。
このギャップを意識することが、改善への第一歩になります。
なぜ言ってしまう?3つの主な原因
① 話の中で「次に何を言うか」を考えている
「あの〜」は、考えながら話しているときに自然と出てきます。
思考が整理されていないと、無意識にフィラーで時間を稼いでしまうのです。
② 緊張による“間の恐怖”
「沈黙が怖い」「何か言わなきゃ」と思っていると、
無音を埋めるために「あの…」や「えっと…」が口から出てきます。
③ 話し方のクセが定着している
過去の会話スタイルがそのまま習慣になり、無意識のうちに出るようになっていることも。
このタイプは自分では気づきにくく、指摘されて初めて自覚するケースが多いです。
回数を減らすためにできる、話し方の工夫
■ “沈黙”を受け入れる
言葉に詰まったとき、あえて何も言わない“間”を取る練習をしましょう。
実は、間があることで話に余白が生まれ、落ち着いた印象にもつながります。
「あの〜」でつなぐよりも、一呼吸おいてから話す方が、聞き手にとっても聞きやすくなります。
■ 事前に「話す内容を構造化」しておく
話しながら考えると「あの〜」が増えるので、
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結論から話す
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ポイントを箇条書きで頭に入れておく
など、話の骨組みを準備しておくことで、フィラーの出番が減ります。
■ 自分の話し方を録音・視聴してみる
スマホで録音してみると、自分の口ぐせや話のテンポがよくわかります。
「あれ、こんなに“えーっと”言ってたんだ…」と驚くかもしれません。
気づくことで、意識して直す第一歩になります。
自分も無意識にやっていないか、確認してみる
誰かの「あの〜」が気になるときこそ、
「自分の話し方はどうだろう?」と振り返るチャンスかもしれません。
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電話での会話
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家族や友人との雑談
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仕事の場での説明や報告
どんな場面でも、話し方のクセは自然と出るものです。
「丁寧に話そう」と思っていたのに、気づけば「あの〜」でつないでばかり。
そんな自分に気づけたら、それだけで改善の第一歩です。
まとめ|「あの〜」を手放すと、話し方がすっきりするだけじゃない
話の中で出てくる「あの〜」「え〜っと」は、
ちょっとしたクセであり、心の状態のあらわれでもあります。
無理に全部なくす必要はありません。
でも、「あ、また言ってるかも」と気づけるだけで、話し方はずいぶん変わります。
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間を怖がらず、あえて“沈黙”を選んでみる
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考えながら話すのではなく、考えてから話す
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自分の話し方を聞いてみる
それだけで、落ち着いた印象や信頼感が自然と伝わるようになります。
話し方にちょっとだけ意識を向けて、聞いていて心地よい“自分らしい話し方”を見つけていきたいですね。