「本を読むのが苦手」「集中力が続かない」そんな悩みを抱えている方にこそ試してほしいのが、“声に出して読む”というシンプルな行動です。
実は、黙読よりも音読のほうが、脳にとってさまざまなメリットがあることがわかってきています。
今回は、声に出して読むことが脳や気分にどう影響するのか、そしてそれを生活にどう取り入れればいいかをご紹介します。
声に出して読むと、脳が“フル回転”する
黙読は目と脳だけで行うのに対し、音読は
- 目で文字を追う(視覚)
- 声を出す(発話)
- 耳で聞く(聴覚)
- 内容を理解する(認知)
という、複数の感覚器官と脳の部位を同時に使う行動です。
そのため、
- 集中力が上がる
- 記憶に残りやすくなる
- 脳が活性化する などの効果が期待できます。
脳科学の研究でも、音読が「前頭前野(思考・判断・集中を司る部分)」を強く刺激するとされています。
モヤモヤした気分が“声”と一緒に流れる
気分が落ち込んでいるとき、やる気が出ないときにも、声に出して読むことは効果的です。
声を出すことで呼吸が深まり、無意識に緊張がほぐれていきます。さらに、ゆっくりとしたペースで言葉を発することで、心拍や気分も落ち着いてくるのです。
とくにおすすめなのが、
- 好きな詩や短いエッセイ
- 子どもの頃に読んだ絵本
- 心にしみる名言や格言
など、感情と結びつきやすい短文。
意味がすぐにわからなくても、声に出すことで言葉が身体に染み込んでいくような感覚が得られます。
読書が苦手でも続けられる、音読の取り入れ方
「そもそも読むことが面倒くさい」と感じてしまう人も、声に出すだけなら意外と続けやすいものです。
習慣化するには、以下のような取り入れ方がおすすめです。
- 朝の5分、新聞のコラムを声に出して読む
- 夜寝る前に、1ページだけ好きな小説を音読する
- 誰かに話すように、ゆっくり読む
大切なのは“内容を完璧に理解しよう”としないこと。 ただ「読む」ことそのものを楽しむようにしてみましょう。
声に出すことで、自分の内側と向き合える
声に出して読むと、言葉のリズムや感情のこもり方に自然と気づくようになります。
- 「あれ、今の言い回し、気持ちいいな」
- 「この一文、なんだか胸に刺さる」
そんな“気づき”の積み重ねが、
- 自分の感性を育て
- 心を整え
- 日々の気分の波をなだらかにしてくれる
ようになっていきます。
まとめ:読むだけじゃもったいない。声に出すことの力
黙読だけでは届かない領域に、声に出すことでアクセスできる。
それが“音読”の魅力です。
読書が苦手でも大丈夫。声に出すことには、心と脳を整える力があります。
今日のひととき、スマホを閉じて。お気に入りの一文を、声に出して読んでみませんか?