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降水量の基準と測定方法:かんたんガイド

日常生活

日常の気象予報や雨季、台風シーズンに頻繁に使用される「降水量」という用語について、その実態を正確に理解している人は意外にも少ないものです。

この記事では、降水量の定義、その測定方法、そしてどれくらいの降水量が一般的かという基準について詳しく解説していきます。

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降水量の基礎知識:何を測っているのか

降水量は、空から降る水(雨)の量を特定の時間内に計測したものです。この量は、専用の容器で受けた雨水の深さをミリメートル単位で表します。

この測定値は一般にミリメートルで示され、多くの場合「ミリ」と略して用いられます。

例えば、1時間に100ミリの降水量が記録された場合、その容器内の水の深さは100ミリメートル、すなわち10センチメートルになります。

もし、この降水量を100cm四方の容器で計測すると、水の総量は100cm×100cm×10cm、即ち100000cm³あるいは100リットルとなるわけです。

降水量には、雨だけではなく、雪、あられ、そしてひょう(雹)も含まれます。これらが降った際には、溶けて水になった量も降水量に加えられます。

降水量の測定期間は10分、1時間、または1日(24時間)で、一般的に「降水量」と言う場合、1時間の降水量を指すことが多いです。

例えば、「6時の1時間降水量」という発表がある場合、これは5時から6時までの1時間に降った雨の量を意味しています。

降水量がミリメートルで表される理由

降水量は雨水の量を示すものですが、なぜリットルや立方メートルのような体積の単位ではなく、ミリメートルを使用するのでしょうか?

降水量を比較可能にするため、重要なのは容器の面積に基づく水量の測定です。異なる面積の容器を使用すると、各地の降水量を公平に比較することが困難になります。

これを解決するため、単位面積当たりの水量を計測する方法が採用されています。例えば、底面積がS平方メートルの容器にV立方メートルの雨水が溜まった場合、体積(V)÷底面積(S)の計算により高さ(この場合は深さ)が求められます。

単位面積当たりの水量はV(m³)/S(m²)=(V/S)(m)として計算され、これは深さ(メートル)を示します。

しかし、日常生活ではメートルは大きな単位となるため、より実用的な1/1000の単位であるミリメートル(mm)で降水量を表現しています。これにより、異なる地域や条件での降水量を容易に比較できるようになっています。

 

降水量の測定方法:転倒ます型雨量計の仕組み

降水量の測定には転倒ます型雨量計が一般的に用いられています。

この雨量計の構造は、口径20cmの受水器と、左右に配置された2つの三角形の「ます」で構成されています。雨は受水器によって集められ、その後、左右のどちらかの転倒ますに流れ込みます。

転倒ますに溜まる雨量が0.5mmに達すると、ますが転倒し、この動きをリードスイッチという部品で感知します。その結果、パルス信号が発生し、この信号の回数を別の場所にある処理装置で数えることにより、降水量が計測されます。

このシステムでは、転倒ますが1回転倒するごとに0.5ミリメートル、2回転倒することで1ミリメートルの降水量が観測されたと判断されます。

例えば、1時間に100ミリの降水量があった場合、これは転倒ますが1時間の間に200回転倒したことを意味します。

 

降雪量と降水量の違いと相互関係

雪が降る際には、降った雪の量は降雪量として、またその雪が融けたときの水量は降水量として計測されます。

降雪量は降り積もった雪の深さを指します。一方で、降った雪の降水量を求める場合、雨量計に備え付けられたヒーターを使って雪を溶かし、それを水として測定します。

降雪量と降水量の関係は、雪の質によって異なるため、一概には言えません。しかし、一般的な目安としては、1cmの降雪量がおおよそ1mmの降水量に相当すると考えられています。

この比率は雪の種類や気温、その他の気象条件によって変動するため、実際の降水量は地域や状況に応じて異なる場合があります。

 

降水量の基準とその意味

一般に「降水量」と言うと、1時間あたりの降水量を指すことが多いです。以下、降水量の異なる状況を具体的に説明します。

降水量1mm未満

気象庁では、小数点以下の降水量は切り捨てられます。そのため、降水量が1mm未満の場合、実質的にはゼロとみなされます。例えば、実際の降水量が0.9mmであっても、降水量はゼロと発表されることになります。また、降水確率は1mm以上の雨が降る確率を指すため、1mm未満では降水確率もゼロとされます。

降水量1mm

降水量1mmは、雨が降っていることを実感できる程度です。傘を使わなくても耐えられる程度ですが、人によっては傘を使用する場合もあります。外での歩行に大きな支障はありませんが、スポーツなどの屋外活動には影響があるかもしれません。アスファルトの色が変わる程度の雨です。気象庁では1mmの降水量は1~1.9mmの範囲として扱われます。1.9mmだとほぼ2mmに近く、傘が必要なほどの雨になる可能性もあります。

降水量2mm

降水量2mmは、雨が本格的に降り始めるレベルです。この時点で傘や雨具が必要になります。

降水量3mm

降水量3mmは、屋外でのイベントや行事に影響を及ぼす可能性のある雨量です。1~2mm程度の降水量では屋外イベントが中止されないことが多いですが、3mmに達すると中止を検討する必要が出てきます。傘をささずに屋外にいると、衣服がかなり濡れます。また、アスファルトに水溜りができやすくなります。

降水量5mm

降水量5mmは、やや強い雨を意味します。長時間屋外にいると、傘をささずには衣服がずぶ濡れになるでしょう。普通の靴では雨水が浸透してしまうかもしれません。

降水量10mm以上

降水量が10mmを超えると、場所によっては大雨注意報や警報が発令されることがあります。10mm以上の降水量の場合、雨の強さや降り方は気象庁によって以下のように詳述されています。

まとめ

このブログでは、「降水量」とは何か、その測り方、単位の意味、そして具体的な目安について詳しく解説しました。降水量は、雨や雪などの水分が一定時間にどれだけ降ったかを示す重要な指標です。普段の天気予報で耳にする「ミリ」単位の背景や、降水量の異なる天候での実感についても触れました。

さらに、降雪時の降水量の計測方法や、雨量計の使用法、そして降水量の様々な段階における影響についても学びました。降水量を理解することは、日々の生活や予定を立てる上で非常に役立ちます。また、気候変動の影響による異常気象に備えるためにも、この情報が重要になります。

この記事が、降水量の基本から具体的な理解に役立つことを願っています。

 

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